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 論歴史と伝統そして遺伝学からみた 皇 統 論


1.

皇統論
序 論
  
皇統のあるべき姿について、【応用ゲーム理論の結論】 (朱鳥社)の著者である井沢開理が、あくまで「 応用ゲーム理論研究家」としての立場から、その手法(すなわち、ある問題に対して白紙的に図や表を作成し、分析・検討するという手法)を用いて記述したのが 、この 皇統論である。
 この小論のきっかけになったのは、小林よしのり氏が、雑誌「サピオ」で発表した「天皇論」である。
 「小林よしのりの天皇論」の内容は立派である。そこで氏は、「女性天皇」および「女系天皇」を認めている。
 これ以外にも、保守系論客で天皇に対する尊敬心も強いと思われる方が、「女性天皇」「女系天皇」を認める著書はいくつかある。
 これら【「女性天皇」「女系天皇」容認論】は、小林よしのり氏も含め、「遺伝学」については、まず触れられていないのであり、触れられていないからこそ、【 容認論】 を主張できるのである。
 「小林よしのりの天皇論」も、実に素晴しいが、残念ながら「遺伝学」に関しては、殆ど触れられていない。
 天皇制は、「歴史と伝統」で成立している。その「歴史と伝統」とは、「皇統における男系世襲の継承(万世一系)」という事になろう。
 そして本小論の結論を先に述べれば、「女性天皇容認論
そして「女系天皇否定論すなわち 「皇統においては、男系世襲でなければならないである。

 「なぜ皇統においては男系世襲でなければならないのか?」という問 に対して、理を持って説明するためには(正義面で絶叫し、主張するのではない方法)、どうしても「歴史と伝統」プラス「遺伝学」の知識が必要になる。
 本小論の標題である「歴史と伝統そして遺伝学」にも拘らず「歴史と伝統」に関する記述は、殆どない。
 それでも本小論は「歴史と伝統」そして「ゲーム理論」(これも記述はない)をベースにして記述している(潜在的記述)。
  本小論は、まず「歴史と伝統」を守ることを大前提に記述している。
 すなわち天皇および天皇制容認を大前提に記述している。
 ただし、それを強くは前面に出していない。あくまで「ゲーム理論」をベースにしているため、理を持って説明する (公正で簡明な表や図で判断する)という姿勢で記述している。

 当然のことながら、「歴史と伝統そして遺伝学」を重視して、皇統を考察すれば、小林よしのり氏と言えども、結論はこれしかない筈だが……。
 ただし、
「歴史と伝統そして遺伝学」を無視すれば、何でもありの「美辞麗句」「正義面の絶叫」の世界に突入してしまうだろう。

 我が国は、日本歴史始まって以来(それ以前より)、天皇が存在し、それが現在まで続いている。
 しかもその天皇制度は、男系世襲であり、歴史上「女性天皇」は存在したが「女系天皇」は存在せず、皇統は男系世襲で、ずーと現在まで受け継がれてきた (万世一系)。これは日本 のみならず世界の奇跡であり、どこの国にも存在しない、そしてどこの国も真似のできない世界の奇跡・世界文化遺産とも言える 存在である。
 この「歴史と伝統」を守りたい。
 

2.

 

「遺伝学」の基礎知識およびその仕組

 以下、「遺伝学」について述べるが、 必要最小の記述に止め、そのポイントを示したい。
 

注1
 

 必要最小限のといっても、左翼がよく用いる、”自分に都合の悪いことは一切触れず、自分の都合のよいことだけを正義面で絶叫する” という記述スタイルは、とっていない。

 まず遺伝学より見た男女の差とは、人体には 遺伝的に、2つで一組になった23組(46個)の「染色体 」というものが存在する。そしてその、その「染色体」の22組までを重量別に1番から22番まで番号を付けるが、そこには男女で何の差もない。
 ところが重量順とは別に、1組だけが男女でその構成が、全く異なる「染色体」が存在する。 これを23番めの染色体、別名“性染色体”と呼ばれる。
 すなわちその構成とは、【 X:X 】という「染色体」を持つのが女であり、【 X:Y 】という「染色体」を持つのが男である。

 以下、解りやすいように図化する(図化は、私の提唱する「応用ゲーム理論」の基本手法)。また、女を左、男を右に書いたのは、以後の図を 見易すくするためである。

女の染色体 男の染色体
X:X X:Y

 

注1

 「X染色体」の中には、1098個の遺伝子が含まれ、「Y染色体」の中には、78個の遺伝子が含まれる。これらの数字は、重要ではないが「Y染色体」は「X染色体」に比べ、、極端に小さい位は知っていてもよいだろう。

注2

 「染色体」という言葉は、理解しにくい言葉である。「染色体」は、上記のごとく「遺伝子の集まり」または単に「遺伝子」というイメージ認識しても実用上、特別の支障はないだろう。
 


  当然のことながら、これら「染色体」(遺伝子)は祖先から受け継いだものであり、子孫へと受け渡すものである。
 そこでその遺伝の仕組みを男女別に見てみる。
 

「染色体」遺伝の仕組概要図 (図1)

                 
       

1.






2.





3.





4.

 母・父の「X染色体」の差を明確にするため、 それぞれA B と 名付けた。
 
ここで、着目すべきは、この二人から生まれた男子・女子で「染色体」の受け継ぎ方が、まったく異なることである。

 
男子の場合
 
父親からの「
染色体」はそのまま受け継ぎ、父親が持っていた
XBは完全に捨て去り、【 AY という「染色体」をもった男子になる。

 女子の場合
 当然のことながら父親の「
染色体」は、受け継ぐことも出来ず 、次世代に渡すこともできず、
【 
 】という「染色体」を持た女子になる。
 その他
 ここで
【  】と書いたが実際には、X同士で交差現象が起こるが、X:Y間では交差現象は、起こらない。すなわちY染色体は、X染色体の影響を受けることなく次世代に受け継がれる。

  :X     Y  
 
             
             
               
  女子     男子  
      Y  
             

 


 結 論

 この「染色体」遺伝の仕組みは、皇統における男系世襲に大きな意味を持つ。

 

3.

 皇統における男系世襲 の意味とは

 日本国は、古代天皇(存在が確実な天皇)より、下図のごとき「男系世襲」という世代交代をもって天皇制を守ってきた。
 歴史上、「女性天皇」は存在してもそれは一時的なつなぎ的存在であり、「女系天皇(女系世襲)」は存在せず、「男系世襲」を守ってきた (別名、「万世一系」 という)。
 我々の祖先は、遺伝学の知識はなかったけれども、「女性天皇」を認めても、本能的に「女系 世襲」を否定し「男系世襲」を守ってきた。
 「遺伝学」の知識を得た我々は、もはや「遺伝学」を無視することは困難であろう。
 

皇統は男系世襲でなければならない。(図2)
 

               
          古代天皇  
  11     X:Y  
       
               
               
  22     1  
       
               
               
  33     2  
       
               
               
        3  
       
               
               
               
               
               
        N  
       
               

1.













2.




3.




4.




 

 左図のごとく、古代天皇の持つ【 X:Y 】染色体のうち「染色体」は、女性の【 X:X 】染色体 の影響を受けることなく、歴代男系によって、受け継がれていく。
 皇位を継承するとき、3種の神器を継承するがごとく、この「Y染色体」を受け継いだ方が、天皇候補となり、「Y染色体」を持たない 人は、天皇候補ではないと云える。
 なお、もう少し加えて、皇統と認められ宮家に生まれ育ち、この{遺伝子」を継承されている方が、天皇候補者たりうると考える。

 結論として、 「歴史と伝統」の重み(これだけで十分であるが)、更に「遺伝学」の理由づけで、皇統・皇位を考えるならば、皇統は、男系世襲でなければならない。
 
 なお「歴史と伝統そして遺伝学」だけで考察するならば、「女系天皇」は完全に否定されるべきだが、、「女性天皇 」を否定 する理由は、どこにも見当たらない。

 もしこの問題で、「歴史と伝統そして遺伝学」を無視すれば、 「何でもあり(どんな理論も成立)」 になってしまう。

4.

 

 

 愛子さまのお子様は男子でも、天皇になる資格がない(女系天皇否定)

 あまり具体的すぎて申し訳ないが、これを書かないとどうしても収まらない事がある。
 愛子さまを将来の天皇にという熱烈な「愛子さまファン」 の数は多い。
 小泉純一郎元総理や、小林よしのり氏もそのその熱烈なファンの一人かも知れない。
 しかしその熱烈なファンに便乗して、皇統断絶を狙う一派が存在することもまた厳然たる事実である。
 その両派を牽制するために、あえて書いたのである。
 

 
左図に見るごとく、  愛子さまは、歴代続いた天皇家の「Y染色体」を継承しておられず、小和田家・正田家の 交差した「染色体」を継承しておられる。
 そのお子様は、男子であっても全然別系統になってしまう。「女系天皇」を否定する理由はここにある。

 ただし、愛子さまは、天皇家の「血」を半分継いでおられる方である。この厳然たる事実は、認識する必要がある (女性天皇肯定)。


 熱烈な愛子さまファンである小泉元首相 から、こんな発言があった。「女系天皇を認めないと仮に愛子様が天皇になられたとき、そのお子様が男子でも(皇位継承謙を)認めないことになる。それを分かって反対しているのか!」 (これを「女系天皇」という)。
 如何でしょうか?
 この発言など、上図を見れば反論の必要もないことだろう。
  なお、愛子さまが旧宮家の方と結婚された場合、また別の話になるが、それについては、後日別項目で記述する。

 結論として、「歴史と伝統そして遺伝学」を重視する場合、「女系天皇」を否定するが、「女性天皇」については歴史上存在したし、「女性天皇」を否定しする理由は 見当たらない 。
              

5.

 

検 討 
 
 この小論の特性は、「歴史と伝統」は、守るべきだということを大前提で記述しているが、それを強く表面に出さないで、「図1〜3」を用い、理を持って記述している(「応用ゲーム理論」の手法)。
 この種遺伝学についてほとんど知らない人、あるいはこの種遺伝学についてかなりの知識を持っている人も多分、このようにすっきりした「遺伝の図」は、始めてお目にかかる人が大部分であろう。
 そして理論的にも、視覚的にも解りやすい結論であろう。
 最終結論である「皇統は男系世襲でなければならない」「女性天皇肯定・女系天皇否定」は、「 歴史と伝統そして遺伝学」から出た結論であって、行司の軍配と同じである。 理念や偏見で軍配を上げていないし、何度検討しても軍配はこれしかない。
 
 アメリカ大統領は、現在の国際社会において、最高の実力者である。
 そのアメリカ大統領が、一目置かねばならない存在が、三つある。
 それは、ローマ法皇であり、エリザベス女王(英国王室)であり、日本の天皇である。
 日本の天皇は、このように世界から尊敬されるそんな存在でもある。
 


 またこんな事もあった。
 1971年9月、昭和天皇がアラスカ経由で欧州各国を歴訪された。
 目的は、あくまで欧州各国の歴訪であって、アラスカは給油のための、単なる一時的な着陸に過ぎなかった。
 にもかかわらず、ときのニクソン大統領は、アメリカ本土からアラスカまで出向き、昭和天皇を出迎えたのである。
 これは、アメリカ大統領としては、異例の行動である。日本の天皇は、そんな存在でもある。
  
 ただし、いいことばかりではない。
 欧州各国は、戦後の区切りとして一応歓迎であるが、その国の市民団体による天皇訪問反対のデモ行動もあった。
 また、日本から一部左翼団体が、天皇訪問国の先々で反対運動を繰り返した。
 このように日本には、厳として天皇・天皇制に反対する勢力が存在する。
 どうあれ、日本国民の大部分は程度の差こそあれ、天皇・天皇制に賛成している。
 今の若い人はこの問題に対して関心が低いかもしれないが(低いのは当然であろう 。学校で全く習っていないのだから )、天皇・天皇制を容認していただける人ならば、この「歴史と伝統そして遺伝学」の結論に賛同頂けるだろう。
 


小林よしのりし氏 批判

 雑誌SAPIO(H22年5月12日号)で、氏は「Y染色体論はとっくに崩壊している」と述べている。
 氏の「女系天皇公認」を主張するためには、「Y染色体論」を論破できず、ここまで特異なケースを引っ張り出さなければならないこと自体、すでに論理的に完全に破堤していると言わざるを得ない。
 「世の中、女(X,X)と男(X,Y)しかいない」これが大原則であり、これで考えればいいことである。
 ただし、世の中何万分の1という割合で、(X,X)という染色体を持つ男(?)、(X,Y)という染色体をもつ女(?)も存在することもまた事実である。このような異常染色体を持つ男女(?)について、いま考える必要性があるだろうか?
 これらの異常染色体を持つ男女(?)は、残念ながら1代限りで子孫を残すことはできないのであり、不敬ながら、今上天皇を始め皇族方の女子は(X,X)、男子は(X,Y)という染色体をお持ちの方々と思われる (異常染色体については特別考える必要性はない)。
 なお、遺伝学は今後ますます発展するだろう。例えば、染色体とは遺伝子の塊であるとは前に述べたが、Y染色体の中のSRY遺伝子がもっとも強く男性化に作用している事も判ってきている。
 大局的に見て、遺伝学がますます発展し、特異事例も多数発見され、また特にY染色体の中の個々の遺伝子の働きも、鮮明になってくるだろうが、女 は(X,X)、男は(X,Y)という染色体を持つという大原則、そしてY染色体は 男系を通じて代々受け継がれていくという大原則は、揺るぎないと思われる。

 「応用ゲーム理論研究家」として井沢開理は、「理念屋」の論理を嫌う。
 「理念絶対主義」であるため、自分の理念に都合の悪い現実は一切見ないし、ある現実は都合のいいように歪曲し、時にはウソをねつ造してでも、理念は 断固として守り抜く(ただし、本人はそれが正義と信じている)。
 小林よしのり氏も、「女系天皇公認」を貫くには、「Y染色体論はとっくに崩壊している」というウソまでつかなくてはならなくなった( なお男のY染色体は、数百万年以降には消滅するという学説はあるが、現在「Y染色体論がとっくに崩壊している」という学説など 私は知らない。あれば教えて欲しい)。
 氏の指摘の通り側室を持たない天皇家が、今後「万世一系」を維持することは容易ではないだろうが、現段階で一片の努力もせず、今これを放棄しろというのは、氏が如何に正義面で絶叫しようが、 これには無理がある。
 氏の「天皇論」は本当に素晴らしい。ただし、氏の「女系天皇公認」には一片の論理性もない。あるのは氏の「正義面の絶叫」 だけである(【正義面の絶叫と正義とは何の関係もない】これは私の持論)。氏の「正義面の絶叫」と 「歴史と伝統の重み」プラス私の「遺伝図1〜3」を比較して 頂きたい。いずれ が論理的か、いずれがポイントを突いているか、ご判断いただきたい。
 今は「万世一系」を維持する方策を探るべきであり、私は【皇室典範改正(私案)たたき台】で穏健な方策を示している。
 

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